モケー

タミヤモデラーズギャラリー・2024

午後から所用で池袋方面に出たので、東武百貨店池袋店で開催中の「タミヤモデラーズギャラリー・2024」に立ち寄り。本日最終日。
去年は小規模な物販があっただけだったけど、今年はコロナ禍を経て5年ぶりの開催ということで、コンテスト作品や各模型誌掲載作例の展示等があり、以前のモデギャラ・スタイルに戻った。

一通り見て回り、個人的に目玉である1/35:ドイツI号戦車B型の展示へ。
静岡で設計氏から「やってます」と聞いてはいたのだが、発売はまだ先のようなニュアンスもあったので、秋以降かな〜?などと勝手に思っていた。けど意外に早かったね。
…とは言うものの、展示されていた作品には「参考出品・企画進行中」とあり、「開発中」とか「◯月発売予定」といった表現よりももうちょっと前段階の状況なのかも。従ってこの展示作品も実際に発売される製品をどれくらい反映したものなのかは不明。読者諸兄もその辺を踏まえてお読みいただきたい。

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さて展示作品だが、一見して「あぁタミヤだなぁ」というある種の雰囲気をまとっており、カッチリとした仕上がりでなかなかに良い感じ。
注目すべきは転輪で、断面が「凹」になったI号転輪の形状が再現されている。これだけでも足回りの雰囲気がバシッと締まっているようで「タミヤ、攻めてるねぇ」という印象を持った。

タミヤも熟練の設計スタッフが定年退職の時期だそうで、世代交代しつつあるようなことも聞く。今までの良い部分を継承しつつ、新たな基軸も見せてくれるようになるのかもしれないし、そうあって欲しくある。社長も変わったしね。

このI号戦車の展示、通路に面した目立つ場所にあったのだが、来場者からはあまり注目されていなかった。というか見てたのは私だけだった。えぇ〜。まぁおかげで写真撮影はしやすかったけども。
いやタミヤのI号だよ?皆んなもっと見ようよ!「50年前のディオラマをリメイクしました〜」なんて後ろ向きなだけのしょーもない出落ち作品(個人の正直な感想です)なんざ見ないで良いから、こっちを見ようよ!過ぎ去った50年前よりも、これからの50年に向けたタミヤの決意を見ようよっ!…とか心の中で叫んだものじゃった。どんとはらい。

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モデラーズクラブ合同展 2024 感銘を受けた作品

主催者発表によると今年の「第33回モデラーズクラブ合同作品展」は、参加クラブ数・300以上,クラブ員数・4,200人以上,展示作品数・11,000作品以上と、いずれも過去最大を記録したらしい。この数量なので作品全部をじっくり見て回るのは困難なのだが、それでもなんとか一通り回ることが出来た。その中で個人的に感銘を受けた作品を幾つかご紹介。

なお、私自身ここ数年は欠席していたので、既に模型誌に掲載されていたりWeb等で著名な作品だったりするかもしれません。その辺りはご容赦のほどを。

○ まずはこちらの作品。エンジンデッキに遠征用荷物を山積みにしたII号戦車F型と、やはりロバの背中に荷物を山積みしている行商人という対比が面白い。片や地中海を超えてやってきた非日常の戦闘車両、片や日常の足であるロバ。Uchiwa

手前と奥の平行配置というレイアウトも結構難しいんじゃないかと思うんですが、上手くまとまっていますね。II号戦車とロバの行商人をすれ違わせず同方向を向かせているのも、同じ空間に居てもお互いに混じり合わない異質な関係であることが強調されているよう。両者の間に若干の高低差があることもそれを補完しているのかな。

で、お互いにとっての斜め前方に「ウチワサボテン」が生えてますが、このウチワサボテンに花が咲いているんですよ!
ドラゴンキットのオマケや情景パーツとしても出回っているウチワサボテンですが、花を咲かせているのは私は初めて見たような。情景の穴埋め的に無機質な扱いをされがちなウチワサボテンですが、本作では開花という植物的生態を表現されて生命力を持ちましたね。黄色の花とガク的な部分の紅が、情景全体を引き締めているようです。

あとこれは作品と直接関係ないけど、ウチワサボテンって元々はメキシコ〜アメリカ南西部に自生していたのが、16世紀にスペインの新大陸征服に伴ってヨーロッパに持ち込まれた…ということを今回知りました。

○ 次にこちらの作品。東部戦線、寒村の家屋の前にパークするIII号突撃砲G型ですが、手前に群生している植物は…ひまわりですよ。既に花の盛りを過ぎ、頭を垂れたひまわり

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ひまわりが登場する情景作品は過去にも沢山あったけど、ここまで枯れさせた(花が終わった)作品は初めて見た気がします。う〜ん。良いですね。

ひまわりって、絵心の無い人でも何となく描けてしまうような花なので、造形的にも「何となくひまわり」な表現に陥りがちで、イメージがステレオタイプ化しているから漫画チックにもなりやすい。そういった「何となくひまわり」は、作品世界が作り込まれリアルさを積み上げていくにつれ違和感を生じさせてしまいがち。

本作のひまわりにはそういったある種の「漫画チック」さは皆無で、植物としてのひまわりを表現しているのがイイ。「最初は花が咲いた状態で作ったものが、季節が移ろうにつれ自然と枯れてこうなった」と言われても納得してしまいそう。花をほじくれば種が取れるんじゃないか…とか。

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これはなかなか「ヤラレタ」感。ひまわりの情景は私もいつか作りたいなと思ってたんですが(←え?)、本作を超える表現を獲得するのはなかなか難しいかも。

サボテンの花にしろ、花期を過ぎたひまわりにしろ、それを表現するためには植物学的なアプローチが重要になってくる訳でうんうん、それもまた考証モデリング!だねと思いました。

○ あとこちらの作品(パネルの作者様の名前は加工して消しました)。

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レンドリースでソ連に送られる前に整備され、女性スタッフにちやほやされているマチルダ。記録写真を元にした作品ですね。
フィギュアを自在に操れると作品の幅が広がって良いなぁ。

…と今回ご紹介するのは以上です。情景作品は情報量が多く、また初見でもそれらが伝わって来やすいので、取り上げたものも情景作品ばかりになったけど、単品作品でもスゴイ作品は目白押しだった。
合同展会場にはあらゆるジャンルの力作が唸りまくっているので、それらを見て回るだけでも模型ゴコロに非接触給電しまくりなんですよね。

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静岡ホビーショー 2024 気になった新製品

Miniart【35425:M3 STUART LIGHT TANK, INITIAL PROD.

キット内容はおおよそ承知しているつもりだったけど、GSIクレオスのブースで組立&サフ吹き状態のサンプルを見て、コリャ良く出来てるワと唸りました。
軽戦車の小さな車体に繊細なディテールが凝縮されていて「持ったら重そう」というような重量感すら感じます。なんか佇まいがもう実車みたいですよ。

下写真をご覧ください。スケールモデリング・マインドに溢れる諸兄におかれましては、例えM3軽戦車に興味は無くとも「ほう… たいしたものですね」と思われるはず。

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主砲防盾も照準孔の庇の張り出し具合なんかが絶妙で雰囲気良いなー。スチュアートの「顔」そのもの。
この頃のアメリカ軍車両は各部に「マイナスネジ」が使われていて、M3軽戦車だと車体前部のミッション点検・交換用ハッチなどがそうだけど、その辺も至極当然に再現されていて心地良い。
ミッション交換用ハッチ部分に付く跳弾板もちゃんと装甲板に対して垂直だし、車体後面にはちゃんと手動スタート時のクランク棒差し込み孔があるし、言うこと無し。

ただ、各部が細分化されてパーツ数も多そうなので、組み立てにはそれなりの慎重さが必要かも。キット同梱のエッチングもシャープさに貢献していると思われるけど、見た感じかなり薄くて柔らかそうだったし。事実、新たにMiniart代理店に参入したブースの方にあった作例はデロデロでしたね。

MiniartのM3軽戦車系、レンドリ者としてはソ連へ行っていない極初期型「リベット留め八角砲塔」はスルーして、買うならいずれ出るであろう「馬蹄形砲塔」かなぁとか思ってましたが、初期型の「溶接製八角砲塔(今回は展示無し)」も良いな。買っちゃいそうだな。

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静岡ホビーショー&モデラーズクラブ合同展 2024

静岡ホビーショー&モデラーズクラブ合同展からもう一週間経ってしまいました。
2019年は参加、2020年・2021年はコロナ禍により開催中止、2022年は開催されるもMay-Q同盟は不参加、2023年はMay-Q同盟も参加したがワタシは不参加。…というわけで個人的には実に5年ぶりの静岡詣で。

11日、4時半に起床し、6時30分東京発の新幹線こだまで静岡へ。8時ちょい過ぎにツインメッセに到着。
May-Q同盟は既にブース設営を完了しており、留守番や接客をしつつ、他ブースへの挨拶や数多の作品群の鑑賞など。久々のホビーショー&合同展を堪能。

これは去年も感じたんだけど、コロナ禍の巣篭もりで溜め込んだ衝動や作り込んだ作品が場所を得て一気に放出された…という感じで、量的にもクオリティ的にもかなりスゴイ事になってるなーという印象。海外の展示会の様子もWebでよく見ますが、それらと比べても全体の熱量は負けていませんね。うむ、これなら日本の模型シーンは安泰だ(←謎の上から目線)。

今年は不甲斐なくも作品無しだった私ですが、来年はブイブイ言わせちゃりますよ。誰を?自分を。

・行きの新幹線では駅弁「チキン弁当 (Since 1964)」を食べた。20代の頃、出張の時に食べて以来だぜ…。

Chikinb

・あと、飲みに出るのに静岡清水線に乗ったら何故かお茶子のラッピング車両だった。「はは〜ん成る程ね、静岡→お茶→お茶子というワケね」と納得したけど、別に全然そういうワケじゃ無かったぜ…。

Ochako

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【May-Q同盟】静岡合同作品展 2024 に参加します

「ただいまより、第33回モデラーズクラブ合同展を開催致します…」場内アナウンスが流れると同時に…
「ガー、ガシャン!」全ての出入り口シャッターが音を立てて閉じる。
「開かないぞ!」「閉じ込められた!」ざわつく場内。
「お静かに…」天井から降りて来る巨大モニター。画面にはソファーに座り黒猫を撫でている田○会長の姿が。
「皆さん、モデラーズクラブ合同展へようこそ。さて、これから皆さんにはゲームをしてもらいます。そう、”殺し合い”という名のゲームをね…」

「モデラーズクラブ合同展」と聞くとそんな印象を持つ人も多いかと思いますが、実際はそんな事はなく平和なイベントです。

今年も【静岡ホビーショー】が5月8日(水)から、そして【モデラーズクラブ合同展】が5月11日(土)・12日(日)の両日、ホビーショーの一般公開日に合わせて開催されます。
我々May-Q同盟もブースをいただき、作品展示を行います。今年のブース位置はP-222です。
諸々の事情により参加メンバーは少ないんですが、熱のこもった作品達を是非ご覧ください。私以外のメンバーの…。

え?私ですか?合同展には参加しますが、作品は惜しくも、タッチの差で、間に合わなかったのです…。ブルムベアを作ってたんですが。砲塔無いから楽だと思ったんだけどなぁ。

合同展への入場には事前登録が必要で、11日・12日分は既に登録受付が終了していますが、参加される方は当ブースにも是非お立ち寄りくださいませ。よろしくお願いします。

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Zavod 3D【SU-122/SU-85 fuel tank bracket】

オンデマンド・3D出力サービスの【Shapeways】から「24時間限定で送料無料にしてやるから、円安であっぷあっぷなお前も注文しろや」とメールが来たので、超久々(数年振り)に発注。

■ Zavod 3DSU-122/SU-85 fuel tank bracket

かなり以前発売されたアイテム(MiniartからSU-122が出た頃)だけど、未入手だったので。

SU-122及びSU-85の予備燃料タンクブラケットは、薄く、かつインジェクションでは抜きにくい形状なので、メーカー各社ともその再現に苦心している。
Miniartのキットではブラケットが燃料タンクと一体成型されていて(この部分は記述誤りにつき下に訂正記事あり)、これは後発のZvezdaキットも同様。この方式だと予備燃料タンクを「装備していない」状態にする際には、ブラケットを自作するか何処かから調達する必要が出てくる。
Zavod 3Dのパーツは独立したブラケットのパーツなので、その辺の問題はザボっと解決だ。

Su_tank_bracket

開封すると切った親指の爪のような(笑)パーツがずらり。以前は成型色が半透明だったが、最近は "Tan" カラーの選択肢が増えた。こっちの方がディテールが見易いね。
ちょっと力を入れるだけでゲートからリリースされるので、ゲート跡部分をササっと処理すればすぐに使えそう。形状も良好。
予備燃料タンクを半周巻く固定用金属バンド部は付いていないので、プラペーパーや真鍮薄板などで再現する必要はあるけれど、まぁそう難しい作業では無いでしょう。

素材はアクリル樹脂(ShapewaysではFine Detail Plasticと呼んでいる)で、慣れ親しんだいわゆる普通のレジンに比べると硬質なので、このブラケットのようなパーツには適しているんじゃないかな。出力後の事後収縮も(10年位前に購入したブツを観察した感じでは)少ないように感じる。

試みにドラゴン製の予備燃料タンクに合わせてみたところ吸い付くようにピッタリでイイ感じ。
今回はエコノミーパックと銘打ったブラケット16個入り・2両分のセットにしたので、これでもう戦わずして勝ったも同然だ。

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以前も書いたと思うけど、Shapewaysの出力センターはオランダの「アイントホーフェン」に在り、出荷後にUPSの追跡アプリで地図が表示されると、アイントホーフェンの他「ナイメーヘン」や「アルンヘム」も表示されて、『遠すぎた橋』世代としてはグッと来るんだよね。

Ups

※ 2024.05.06 訂正

上記事に於いて、SU-122及びSU-85の予備燃料タンクブラケットについて「Miniartのキットでは予備燃料タンクと一体成型されており」と書きましたが、あらためてMiniartキットを確認したところブラケットはちゃんと独立した別パーツになっていました

当該箇所を訂正すると共に、関係各位には謹んでお詫び申し上げます。

ZvezdaのSU-85キットは手元で一体になっているのを確認しながら書いてたんですが、Miniartのキットは在庫奥深くにあって確認せず、確か同じ表現だったよなという記憶で書いてました。

でも、Zavod 3Dのパーツの製品紹介には「MiniartのSU-122及びSU-85キットの不格好なアイテムを交換するためのパーツ」とか書かれてるんだよなぁ…。どの辺がアレなのかね?まぁ作るときに検証しましょう。

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Miniartが【M3 STUART 軽戦車】をアナウンス

Miniartの2024カタログが公開され、35401:M3 STUART INITIAL PROD. INTERIOR KIT】【35425:M3 STUART LIGHT TANK. INITIAL PROD.がアナウンスされました。
https://miniart-models.com/miniart-models-catalog-2024/

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【M3軽戦車】と言えば、レンドリ者的にはもう実質的にソ連戦車なわけですが(←暴言)、今回発表されたのは「リベット留め八角砲塔」の極初期型。このタイプはソ連へは行っていないんですよね確か。でもまぁ今後「溶接製八角砲塔」や「馬蹄形砲塔」が出るのは間違い無いところ。

同社標準仕様でインテリア付きも出ますが、M3軽戦車の場合は操縦手ハッチがデカく、開状態にするとインテリアもそれなりに見えるのでまぁ必然かな。アカデミーのキットは操縦手ハッチ裏側のビジョンポート付近が再現されていなかったんだけど、Miniartはここもキッチリ再現してくるでしょう。

Miniartの2024カタログ、予想はしていたけれど「ソ連物」の新作は皆無でしたね…。状況的に今後もソ連物の開発は見込めないかもしれないな。

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ZVEZDAが【B-4 203mm重榴】をアナウンス

しばらく間が空いてしまいました。
今日も今日とて汗ばむ様な陽気だったけど、暦の上では立冬だったそうで。

ZVEZDAが早くも来年の新製品を発表しており、1/35では何と!B-4 203mm重榴弾砲をアナウンスですゼっ!

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既に他社からインジェクションで出ているアイテムではありますが、ぶっちゃけちょっとピリッとしない出来だったので、ZVEZDAが2024年に世に問う【B-4】がどうなるか非常に楽しみです。

1/35では他に2S1 グヴァズジーカ 122mm自走榴弾砲】【T-62M】【GAZ-66あたりがアナウンスされています。

ココ」からPDF(AFV系のみ)がダウンロードできるかもしれません。at your own risk でどうぞ。

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Das Werk【Schwimmwagen Trippel SG6/38】

予約していた Das Werk【DW35012 : Schwimmwagen Trippel SG6/38が到着(…してからだいぶ経つけど)。
軽車両ながら結構大きい車体で、同じ水陸両用系で比べても、シュビムワーゲン166より全体に1.5倍くらい大きい。フォードGPAと比べると、全長は短いが車体幅の方は1.3倍くらいある。
あと軽車両ながら結構立派なお値段。まぁこれは最近のキット全体の傾向ですかね。

キットの設計は Das Werk だそうで、成形は TAKOM あたりっぽい。カッチリしたモールドは好ましいけど、ソフトスキンとしては各部の表現がやや「カタい」印象も。椅子とかね。この辺を自分好みに微調整していくのも…攻略的な楽しさがあるっちゃぁあるかも。
船型の車体は上下分割で、内装の側面部分を貼り付けることにより、モールドの再現と同時に上下分割の跡を隠す方式が採られている。ただその分ここはそれなりに厚くなっちゃうんだけどどうなんだろ?資料が少なくて良くワカりませんね。

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タイヤはゴム系の素材で、これはプラ・インジェクションでは抜けないモールドを再現したいという「攻め」の選択だろうから仕方ないものの、それでリアルさを獲得しているか…というと必ずしもそうはなっていないのが辛いところ。ここは DEF あたりからレジンタイヤが出るのを待ちたいかな。…というか既に出ている他の車両用のタイヤで流用できる物もありそう。

折り畳まれた状態の幌はシワがリアル。ただ張った状態の幌も欲しかったなー。ワイパーがエッチングで用意されているのは良いね。

とにかく写真が少なく不明な部分が多い車両だけど、コツコツとイメージに近づけてやりたいと思わせてくれますね。このオレにそう思わせるとは…、フッ…、おもしれーキット

夏に向け、水中モーターを着けてお風呂場で遊ぶのも一興。みなさん、一度試してみてはいかがでしょうか。
…とか書くと「おチャラけ言ってんじゃねーよ!」と思われるかもしれませんが、タミヤからフォードGPAが出た時、タミヤニュース(1974/09 Vol.47)の新製品紹介ページには水中モーターをつけたGPAが、みごと水上走行に成功した(中略)みなさん、一度試してみてはいかがでしょうか…という記述があったりするのですよ。キットをカリッカリのカリにチューニングして、尚且つ水上走行するように改造するのもオシャレ…かも。

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Panzer Concepts【German 3 Ton AufsetzKran】

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新製品情報に疎くなっている私ですが、上のCG画像をふと見掛けて「んぐゎっ!コレが出るんか!」と色めき立ったワケです。
Panzer Concepts【35016 : German 3 Ton AufsetzKran。クレーンだけのCG画像では何だっけコレ?という方も、実車画像を見ればおぉアレかと思うかなと。3tクラス〜のトラックに外付け装着するクレーンで、オペルブリッツに搭載した例が多いですね。主に空軍で使用された模様。

初めてこのクレーン車両を知った時「強化外骨格みたいで格好良いじゃん!」と思ったものの、模型的にはインジェクションで出るとは思えないし、レジンでは成形的に難しそう。かといってプラ棒でスクラッチするには技術的にも資料的にもキビシイ…と思ってました。
しかし時代は3Dデザイン&出力の時代になり、ガレージキットとしての立体化が可能になったということでしょう。

すかさず発注し、15日目にコロラド州から無事到着。山盛りの梱包材をかき分けて出てきたパーツはブルーグレーのレジンで成型。トラス構造のパーツは見るからに華奢で、サポート部分を除去するのに神経をすり減らしそう。
大量のサポート部分によって大きな歪みはないものの、厚さ0.5mmほどのベースシート部分が収縮により曲がっていて、それにつられて長いパーツにはねじれが生じているものも見られる。全体に早いうちにサポート部を除去して歪みを矯正し、ラッカー系サフを吹くなどしておいた方が良いかも。
繊細なパーツの一つには運送時に生じたと思しき破損があってウゲゲ…と思ったけど、当該パーツは破損を見越してか2セット用意されていたのでセーフ。
製作には真鍮線やプラパイプ&ロッド各種が必要で、それらは自分で用意するのかなと思っていたら、これらも同梱セットされていた。サポート部を取り除けばすぐ組立てに掛かれるでしょう。

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なお本製品はベーストラックのキットとしてタミヤのオペルブリッツが指定されているけれど、ここは個人的な好みでサイバーホビー(ドラゴン)のブリッツを使用する予定。在庫のサイバー・ブリッツを引っ張り出してきて Panzer Concepts キットと一緒に積み直したので、もう完成も見えたな…。

コロナ禍もありここ数年は控えめだった海外通販。なんとなく1ドル=100円位の頭でいて「60ドルだから6,000円位か。まぁまぁだな」とか思っていたら、1ドル=140円を超えてましたよ。送料も60ドルなので、倍率ドン!さらに倍!って感じ。一瞬二の足を踏んだけど、最近の Panzer Concepts は3D出力で大物キット(列車砲とか)を出しているものの、生産(出力)数は少なめで早々に絶版になっているみたいで、この機会を逃したら入手は難しいと思い、意を決し購入。まぁ最近のフルインテリアキットなんかも割とサクッと1万超えてくるしな。と自分を誤魔化すのでした。

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