モケー

TOM【Soviet Bridgelayer SBT】が欲しい!…のか欲しく無いのか

最近気になってるキットは、TOM Modellbau【015:1/35 Soviet Bridgelayer SBT
発売自体は 2011年頃なんですが、国内には入って来て無かったですよね。売れ残ってるのか(^^;)、まだ TOM Modellbauに在庫はあるようです。

Tom_sbt


実車は 1935年頃から開発された架橋戦車で、約9メートルの金属&木製の架橋を BT-2の車体に搭載、車体前部のアームによって前方に繰り出して架橋します。砲塔は通常の BT-2のものでは高さが有り過ぎるので T-37水陸両用戦車の銃塔に換装されています。幾つかのタイプが試作され、実験的に対フィンランドの冬戦争で使用されたものの量産は見送られました。…と確かそんな感じ。

TOM Modellbauのキットは、ベースにズベズダの BT-5を使用し、架橋部分は簡易インジェクション製、T-37銃塔や架橋駆動部はレジン製、架橋支持アーム等はメタル製というハイテックな構成。
何より、架橋部分が簡易インジェクション製というのがイイ。まぁちょびっとモッサリ感はありますが、その辺はプラ製なのでどうとでもなるし。

問題はベースのズベズダ製 BT-5だなー。悪いキットでは無いものの、流石に古さは否めない。
こういう「びっくりどっきりメカ」って、それなりのディテール再現度で存在に説得力を持たせないと「出落ち」っぽい模型になっちゃう…と個人的には思うのです。
SBTは BT-2ベースなので転輪も鋳造製のスケルトンなタイプを装着してますが、キットは BT-5そのままのディッシュタイプになっちゃってるのも残念。TOMは以前 BT-2も出していたと思うんだけっども…。

BT-2は今年 Hobby Bossが出す予定だったと思いましたが、その後の話を聞きませんね。ホビボが BT-2を出したらそれこそこの SBTなんかも出しそうですが、でも何というか「そうじゃない」んだよなー。欲しいのは、作りたいのは、この「TOM Modellbau の SBT」なんですよね。でもなー(以下逡巡が延々と続く)。

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Miniart【35219:T-60(第264工場製)】購入

というわけで、Miniart【35219:T-60・第264工場(スターリングラード造船所)製を購入。
Miniartが T-60シリーズの発表をしたのが今年5月の静岡ホビーショー。それから僅か5ヶ月のうちに生産工場違いで3つのタイプが発売されちゃっちゃっちゃったんですねー。出過ぎ!

T60_zd264


キットは、既報ながら、新規パーツとして「溶接接合タイプ車体側面装甲板」「緩衝ゴム内蔵型鋼製転輪」「八角形ハッチ」等が入っており、第264工場製 T-60の特徴を良く再現しています。緩衝ゴム内蔵型鋼製転輪は中央のハブ周辺パーツが別パーツ化されており、再現度も良好。
個人的には、簡素化された「八角形ハッチ」が入っているのが好ましい。T-60を作るならばこの八角形ハッチをやりたいなーと漠然と思っていたので。

しかし Miniartの T-60シリーズ、個人的には応援してるんですが、実際のところ売れているんだろうか…?Webを巡っても組んでる人を見掛けないよね。
インテリア付きキットはパーツ数が増えるうえ、組みながら塗装をしなければならない工程が出て来るので、最近の傾向である「パパッと組んでバーっと塗装」的な流れには行き辛いのは確か。

あと、或いは「インテリア抜きの安いバージョンが出たら買おう」と考えてる向きも居られるかもしれませんね。ただ、インテリア用パーツはランナーにして2枝であり、仮に「インテリア抜き版」が出たとしても、その代わりに「フィギュア・セット付き」になる可能性も高く(本キットにはフィギュアが付いていないので)、値段的には大差なくなるんじゃないかなーと個人的には思ってます。

さて、買って積んでばかりじゃナンなので、私もポツポツ、ニッパーを入れてみるかなー。

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T-60 小ネタ

■ 起動輪の穴は何のため?

T-60, T-40, T-30, T-70系戦車の起動輪には2つの丸穴が開いています(4つ開いているタイプも有り)。
この穴は、最終減速機(フャイナルドライブ)カバー表面にある「潤滑油注入プラグ」にアクセスする為のものです。
下図は T-70, SU-76の整備マニュアルから。

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最終減速機カバーは線対称になっており、装着した状態で上に来るものを「注入ポイント」に、下に来るものを「ドレン(排出)ポイント」として使用します。
メンテナンス時には、ドレンプラグを緩めて古いオイルを排出し、ディーゼルオイルでクランクケースをすすいだ後、2箇所の潤滑油注入ポイント(図中 9と10)から潤滑油を充填します。【プラグ9】の方は、ドライブシャフトのギヤとベアリングの潤滑用。【プラグ10】の方は、出力軸のベアリングの潤滑用で、起動輪の穴は【プラグ10】にアクセスする為にものになります。

Miniart T-60の最終減速機カバーは実車の形状を良く再現しており、上記のプラグ類もきちんと存在します。後方の2つは抜きの関係でややモールドが甘くなっているので、適当な六角ボルトに植え替えるとベターですが、まぁそこまでしないでも良いか。
このパーツ、T-70系キットにも移植出来るかなー?

T60finaldrive


■ 前照灯問題

Miniartの T-60キットには透明プラのレンズ入りで前照灯パーツがセットされていますが、インストでは前照灯と警笛(ホーン)を装着するか、あるいは警笛のみを装着するかを選択するようになっており、「塗装ガイド(インスト掲載のカラー図)を参照して選択してちょ」との指示があります。

T60inst

実際の記録写真を見ると、工場等で撮影されたオフィシャルな写真では前照灯も警笛も装着していますが、戦場写真では前照灯は無く「警笛のみ」の車両が多く見られます。これは、独ソ戦の開戦後、工場疎開やインフラの混乱などにより電気機材の生産と供給が滞った事が原因で、1941年後半〜1942年前半に生産されたソ連戦車の多くはヘッドライトが未装着でした。
1つ前の記事に載せた T-30砲塔搭載の T-60も「警笛のみ」ですね。

更に、第264工場製の T-60では、生産後期になると前照灯のみならず警笛も未装備の車両が多く見られ、その場合には土台の装着金具自体がありません。
3つ前の記事に貼った第264工場製の T-60写真の車両がそれで、2両ともに前照灯も警笛も未装備です。

従って、Miniart【35219:T-60(第264工場製)ソビエト軽戦車 フルインテリア / T-60 (Plant No. 264)】を作る際には、インスト指示の「前照灯と警笛」or「警笛のみ」の他、どちらも装着しないというオプションもまた採用可能ということですね。

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Miniart【T-60・T-30砲塔搭載型】を発表!

本日より開催の「2017 第57回 全日本模型ホビーショー」にて、Miniart・T-60シリーズの新たなバリエーションのパネル掲示がなされた模様。

■【35241:T-60・T-30砲塔搭載型 フルインテリア / T-60 T-30 TURRET INTERIOR KIT(仮称)

来た来た来た!やっぱり来たよーっっっ!
これは GAZ製 T-60の車台に、疎開する第37工場から供給された T-30の砲塔を搭載したバージョン。1941年11月7日に行われた赤の広場でのパレード時に撮影された写真が有名ですね。
謂わば「量産型ザクに旧ザクの頭部を載せた」みたいなもんで、スマートな円錐形砲塔が T-60車台に良くマッチしてて違和感が無くカッコイイ。T-60は T-40系の水陸両用を排したバージョンだなーとあらためて感じますね。

そしてこのバージョンが発売されたということは、この砲塔と足廻り及び内装パーツを流用して、T-30戦車】【T-40水陸両用戦車】【T-40S戦車の発売はほぼ間違い無しっ!…と見て良いんじゃないかなーと。Miniartのことだから。
いやぁ、喜ばしきかな。

T60_t30

画像は『T-60とその派生型』(ユーリイ・パショーロク 著:タクティカル・プレス 刊)より。

 

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MiniarmからT-70砲塔とか色々

レジン製ディテールアップパーツを多く出しているMiniarmが、大戦中のソ連戦車用パーツを幾つかアナウンスしました。

【B35032:TURRET T-70 SOVIET LIGHT TANK INCLUDES DRIVER'S HATCH】
【B35033:T-40 / T-60 / T-70 ROAD WHEELS】
【B35034:T-30 / T-60 / T-70 SPIDER WEB WHEELS】

Miniarm_t70_01

T-70砲塔はロシアのレジンメーカー【コンプレクト・ジプ】からも出てましたが、カッチリとしたMiniarm製もなかなか良さげ。溶接表現とかは一寸あっさり目かな。操縦手ハッチも付属するようですが、主砲防盾が初期の鋳造製なのに対して操縦手ハッチは後期仕様になっており、これはややチグハグ。まぁオマケとして割り切れば。

Miniarm_t70_02

転輪類は Miniartの T-60が出た今どうして?…という感じですが、実は Miniarmは 2010年頃にソ連軽戦車のレジンキットを幾つか出す予定だったようで、これらはその時にお蔵入りになったパーツが復活したものかも。

その他、T-34用の転輪セット類もあれこれ。

【B35154:T-34/76 STEEL ROAD WHEELS SET (EARLY)】
【B35155:T-34/76 STEEL ROAD WHEELS SET (LATE)】
【B35156:T-34/76 SPIDER WEB ROAD WHEELS SET (NARROWER TIRES)】
【B35157:T-34/85 SPIDER WEB WHEELS (LATE)】
【B35159:T-34/76 PRESSED ROAD WHEELS SET NARROWER TIRES】

B35156B35159はゴム部の幅が狭い「BT-7用のタイヤゴム(恐らく)」を流用した40穴・幅狭ディッシュ転輪」&「40穴・幅狭鋳造転輪ですね。
両転輪については「コチラコチラ」を参照。

Miniarmはこの後もT-34用の各種パーツ(誘導輪とか排気管カバーとかのバリエーション)を色々と出す予定みたいです。

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【BLITZSCALES 2017-09】

フリー(無料)のPDF・モデリングマガジンBLITZSCALES 2017-09の配信が始まっています。
出来がどうだか知りたかった新製品の写真も多く、楽しい。MiniArtの T-60も載ってますよー。

https://www.blitzscales.com/

Blitzscales2017_09

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Miniart T-60 どれを買ったらいいんじゃろ?

Miniartからは現在までに3タイプの T-60が発売又はアナウンスされています。どれか1つくらい買ってみるかなーと思った場合、或いはどのモデルにするか迷うケースもあるかと。
実際のところ外観上で一番目立つのは「転輪の違い」なので、迷った場合は「好みの転輪のタイプ」で選ぶのが素直かもしれません。

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35215:T-60 初期生産型 ソビエト軽戦車 フルインテリア / T-60 EARLY SERIES

プレス&溶接製・ディッシュ転輪 装備。
この転輪はT-40水陸両用戦車から受け継がれた直径515mmのもので、「フロート(浮き)」転輪とも呼ばれる(恐らくは水陸両用戦車用に中空で浮力を持つ為)。生産当初から採用。
誘導輪は転輪と同形状だが、直径がやや小さい460mm。

Gaz

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35219:T-60(第264工場製)ソビエト軽戦車 フルインテリア / T-60 (Plant No. 264)

緩衝ゴム内蔵型転輪 装備。
T-34の鋼製転輪と同様、ハブ周囲に緩衝用のゴムが内蔵されたタイプ、鋼製リムで、外周にゴムは装着されていない。1942年4月から採用。
キット付属の誘導輪は、ゴムの省かれた直径460mmの鋳造製。

264

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35224:T-60(第37工場製)初期型フルインテリア(内部再現)/ T-60 PLANT No.37 EARLY SERIES

鋳造製スポーク転輪 装備。
直径は515mm。ディッシュ転輪よりも生産が容易で、第37工場では当初から装備された。
誘導輪は転輪と同じものが使用されている。

37

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また、使用された戦線別のイメージでザクッと言うならば、キットそのままの仕様で組む事を前提とすると…

35215:T-60 初期生産型 ソビエト軽戦車 フルインテリア / T-60 EARLY SERIES………1941年冬のモスクワ攻防戦あたりから。
35219:T-60(第264工場製)ソビエト軽戦車 フルインテリア / T-60 (Plant No. 264)………1942年春以降のスターリングラード地区や南部戦区周辺。
35224:T-60(第37工場製)初期型フルインテリア(内部再現)/ T-60 PLANT No.37 EARLY SERIES………1942年春以降の様々な戦区で広く使用。

…といったイメージでしょうか。あくまでザクッと言うと…ですが。第264工場製の「緩衝ゴム内蔵型転輪」は1942年春の採用なので、その辺だけ注意が必要ですかね。
なお、T-60が主に活動したのは1941年冬〜1943年頃ですが、レニングラード戦区・カレリア戦区では1944年秋頃まで使用されていたそうです。

※ 前回記事の終わりに書いた内容を独立させて加筆しました。画像はMiniartサイトから引用。
参考文献:『T-60とその派生型』(ユーリイ・パショーロク 著:タクティカル・プレス 刊)

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Miniart【35219:T-60(Plant No. 264)】

Miniartから、T-60のバリエーション35219:T-60(Plant No. 264)がアナウンスされました。相変わらず矢継ぎ早な展開。
今回は第264工場生産型。…と言われたって何処だよ第264工場って!何がどう違うんだよ!と思う方が圧倒的に多いんじゃないかなと。

Miniartは販売数を増やす為にバリエーションを多く展開するのが常ですが、T-60のような言っちゃえば「脇役」的アイテムで工場別の仕様差異をガッツリ再現してくるというのは、必ずしも一般ユーザーが望む商品態様とは合致していない…かもですね。
ただ、スケールモデルとしては最新の考証を反映した意欲的なものであり、モールドやパッケージングも上質で、今後少なくとも10年は T-60モデルの決定版であり続ける事は確実でしょう。「脇役」的アイテムだからといって手を抜いてお座なりな出来のキットを出されるよりは、千倍も良いです。

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第264工場はスターリングラード地区にある工場。「スターリングラード・トラクター工場(STZ)」「バリカディ工場」「赤い十月(冶金)工場」が市の中心部で各々隣接しているのに対し、第264工場は少し離れ、ドン河を30kmほど下った「サレプタ」という地区にあります。
元々は「スターリングラード造船所」なので、河川舟艇等を製造していましたが、戦時下には陸戦兵器の製造も行い、T-34の車体装甲板や砲塔を製造して STZに供給した事で知られています。STZ製のT-34というと「頬が削がれた砲塔と顎の尖った防盾」を思い起こしますが、アレが第264工場製砲塔です。

T-60については1941年12月から「赤い十月(冶金)工場」と共同で製造を開始しました。
当初は GAZ製と同仕様で生産を行っていましたが、独軍の侵攻に伴って 1941年後半から多くの工場がウラル地方等に疎開を開始、その影響で部品や部材の供給に混乱をきたす状況に。その為、第264工場では独自の改修を実施。T-34のいわゆる「鋼製転輪」と同様にハブ周囲に緩衝ゴムを内蔵した転輪や、これもやはりT-34のものに類似した単純な箱形形状の工具入れ、単純な形状のハッチ類などが五月雨式に採用されました。
1942年7月、T-34の生産に注力する為に第264工場に於ける T-60の製造は終了しますが、その生産台数はメインの GAZに次ぐ2番目の数量だったそうです。

今回の Miniartキットは緩衝ゴム内蔵型転輪」「箱形工具入れ」「八角形ハッチ」「角形カバー付き操縦手ハッチ」「直径460mmの鋳造製誘導輪等、第264工場製 T-60の外見的特徴を余す事無く再現しています。更に、車体側面装甲板は後期の「溶接接合式」に改められたタイプが新規に起こされており、スキがありません。素晴らしい。

T60_hull


キットは上記のように、第264工場製 T-60の特徴「全部入り」ですが、実際の車両の仕様は生産時期によって様々で、例えば下の車両は「八角形ハッチ」「箱形工具入れ」装備ですが、転輪は鋳造製スポーク転輪です。

T60_264zd_01


一方、下の車両では「鋼製転輪」「箱形工具入れ」「直径460mmの鋳造製誘導輪」装備ですが、砲塔ハッチに関しては円形ハッチで、操縦手ハッチも角の丸いカバー付きです。

T60_264zd_02


『T-60とその派生型』(ユーリイ・パショーロク 著:タクティカル・プレス 刊)によれば、第264工場製の T-60は、様々な工場からの部品や部材 300種以上の組み合わせで生産されていたそうなので、実車写真を再現するも良し、自分好みのパーツを組み合わせて「ぼくだけの最弱第264工場製 T-60」を組上げるのもまた良しでしょう。

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【ミクーリン M-17 ガソリンエンジン】

前々回のエントリーにて「1/35で多く立体化されているソ連軍車両搭載エンジン」について書きましたが、逆に結構使われたのに殆ど立体化されていないエンジンというのもありまして。ミクーリン M-17 ガソリンエンジンがそれです。

【M-17】はドイツの航空機用エンジン「BMW VI」をソ連がライセンス生産したもので、ベリエフ MBR-2飛行艇,ポリカールポフ I-3 複葉戦闘機,ツポレフ TB-3 4発重爆撃機あたりが搭載したエンジン。
その車載型である【M-17T】は BT-7,T-28に、【M-17L】は T-35に、更に V-2ディーゼルエンジンの不足時には T-34にも搭載されたというメジャー所であるにも関わらず、今まで殆ど立体化されてません。いや「殆ど」と書いたのは私が知らないブツが存在する可能性を見越しての表現で、知りうる限りでは1/35の立体化は皆無です。何たるちあ。

M17t

 

タミヤ1/35の「BT-7」は、車内のエンジン隔壁が再現され、エンジンハッチも開閉選択式という「ほれほれ、サードパーティーからエンジンキット出し放題だぞよ」仕様だったので期待してたんですが、結局何処からも出ませんでしたねー。CMK辺りが出すと思ったんだけどなぁ。
ロシアのガレージキットメーカーこそは出すべきだと思うんですが、今の所そのような情報は入ってきてません。まったく何たるちあ。

…とここまで読んで、『あれ?旧 ICM製の T-28と T-35には簡単な出来ながらエンジンが再現されてたよね?それをディテールアップすれば良いんじゃね?』と思った方も居られるかもしれません。実は私も以前はそう考えてました。ところが!いざ ICMパーツを見てみたところ!あれって全然 M-17じゃ無いんですよねー。再現度こそ低いけど V-2エンジンなのですよ…。ダメじゃん…。

昨今はエンジン含むインテリア付きキットが多くリリースされてますが、BT-7,T-28,T-35あたりは新規で出る可能性は低いでしょうね。T-28,T-35はトランぺッターから出ましたが(未所有)エンジンパーツは入ってませんでした。ズベズダのT-35も同様です。どうやらガレージキットメーカーからのリリースを待つしか無いみたいです…。

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ついでにBT-2,BT-5の搭載エンジンとその1/35での立体化について。

BT-2の搭載エンジンは【リバティー L-12 ガソリンエンジン】と、そのソ連でのライセンス生産型【M-5 ガソリンエンジンBT-5の搭載エンジンは【M-5 ガソリンエンジンです。

このうち【M-5】については、かつてロシアの(?)謎メーカーからレジン製キットが出ていました。謎メーカー1/35【BT-5 ENGINE & GEARです。
これは20年以上前に市川の「MAXIM」さんで購入したもので、M-5エンジン本体, トランスミッション, その間の冷却ファンのセットで、ズベズダの BT-5用として作られた物でしょうね。
パッケージもメーカー名も無く、プリミティブなペラ紙のインストが付属するのみという内容ながら、中々どうして出来はそこそこよろしい。…と言っても、エンジンハッチとミッション上部のメッシュを通してチラ見えしそうな範囲のみの造形なので、エンジンルーム内をガッツリ再現するとかならば、ラジエター等、相当部分を自作する必要があります。
色々と正体不明キットではありますが、以前 ebayに出品されているのを見た事があるので、世界規模ではそこそこ流通していたのかも?

Nazo_m5

 

【リバティー L-12】は、そのものズバリは無いと思いますが、CMKから、英国・ナフィールド社によるライセンス生産型で「クルセーダー巡航戦車」に搭載されたタイプが3130:Nuffield Liberty Mk.IIIとして出ています。
CMKなのでこれも出来は良いですね。細かい補器部分をアレでアレしてやれば【M-5】に化けさせる事も可能かと。

Cmk_l12

余談ながら、「巡航戦車」と聞く度に「今晩わぁ〜ジュンコゥです」と桜田淳子の声真似が頭の中でするのを止めたいんですが、どうしたら良いでしょうか。

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Arezin【シュベツォフ M-11 空冷星形5気筒エンジン】

突然ですが、第二次大戦に供されたソ連軍車両が搭載していたエンジンのうち、1/35で最も多く立体化されている物は何でしょーか?

第1位は、まず間違いなく【V-2 ディーゼルエンジン】でしょう。細かい派生型を合わせると、インジェクションやレジン製でたぶん20種くらいは立体が存在するんじゃないかな。
第2位は、恐らく【GAZ-M1】エンジンではないかと。GAZ-MやGAZ-MM(模型的にはGAZ-AAなんかも)、BAシリーズ等、これもインジェクションやレジン製で、元の車両に付随して多く立体化されています。

では第3位は…?
これはたぶんだけど、航空機用のM-11 星形エンジンじゃないかと予想します。
えぇ〜?1/35で〜?と思うかもしれませんが、その理由は、ソ連の「アエロサン」に搭載されていたため。

ソ連軍が大戦中に使用したアエロサンは、多く【M-11】を搭載しています。
名が通った所では【アエロサン・NKL-26】。トランぺッターからインジェクションキットが出てますが、それ以前にも「AMG」から簡易インジェクション製が、「Lead Sled」からエッチング&メタル製が、その他レジン製キットやバキュームフォームキットが数種ありました。
トランぺッターからはやはり同エンジンを搭載した【NKL-16(NKL-16-41)】も出てますね。それらのキットには当然皆【M-11】が付属していた訳です。

単純な箱形形状のアエロサンに於いて、エンジンは唯一「むき出しのメカ感」を醸し出すポイントですが、過去に出ていた1/35の【M-11】はどれもイマイチピリッとしない仕上がりでした。
シリンダー部は 1/35では高さ1cmに満たないので、そもそも実物と同じ枚数の放熱フィンを再現するのは困難ですが、手作業で彫刻された原型はやはり工業製品的な精度の再現に今一歩及ばない感じでした。また、モールドを深くするとレジンやホワイトメタルが流れにくくなり、ゴム型にも負担が掛かるので、そういった技術的側面からも、ある程度の所で妥協する必要もあったのかなと。
なお、トランぺッターのアエロサン付属の【M-11】はプラ・インジェクション製だけど(未所有)、写真から判断する限りでは、中央のクランクケースが大きいのか、或いは周囲のシリンダーが小さいのか、どうも何か全体のバランスが怪しく、ぶっちゃけ何だか「でんでん太鼓」みたいで格好悪い。

なお、本来航空機用エンジンであり【ポリカールポフ Po-2(U-2)】等に搭載された【M-11】なので、1/72,1/48エアキットに対応したディテールアップ・パーツもポツポツ出ています。
中でもレジン製ディテールアップ・パーツを多く出している Vector の【48-002:Russian M-11 Engine】は出来が良く(私も参考用に買った)、「あぁこの出来で 1/35の M-11が何処かから出ないもんかなぁ…」と日々思っていました。

…と前置きが長くなりましたが、今年初め、ロシアの模型誌『Mホビー』の新製品案内に、モスクワのArezinなるメーカーが【M-11】を「1/72, 1/48, 1/35で(!)」発売するという情報が載り、思わず「キタタタタターッッッ!」と叫んだたワケです。
「1/72, 1/48, 1/35」での展開ということは、3Dデザインによりデータの共用が為されていると思われ、昨今の流れから出来の方もある程度期待出来そう。心高鳴りました。

その Arezin 1/35【P.z.35002:シュベツォフ M-11 空冷星形5気筒エンジンがやっとこ到着。
実は注文する段階でも出来に関しての情報に乏しく、半ば祈りながらの注文だったんですが…、杞憂でした。メッチャ良い出来です。

M11_arezin_01


【M-11】は 1923年〜1952年までの間に10万基ほどが生産された為、細かなバリエーションが多いんですが、キットはちゃんと戦中のバージョンを再現しているようです。
一応、アエロサン NKL-26は「M-11G」型を搭載していることになってますが、各タイプでどの辺の何にどう差異があるのか、良くワカリマセン。

ブルーグレー系のレジンは気泡や欠けも無く、成形良好。シリンダーは放熱フィンの数こそ実物の半分〜2/3程度にまとめられていますが、充分シャープな造形で、この辺は 3Dデザインならではという感じ。中央のクランクケースは前後分割で成形されていますが、実物は一体鋳造部品なので前後を接着後に継ぎ目をそれっぽく一体化すると良いでしょうね。ただ、プロペラをモーターで回転させたい場合などは前後分割の方が加工しやすいとは言えます。
なお、一部の配線やロッドは自分で追加する必要があります。ちなみにインスト等は無いのでその辺は自分で調べなければなりませぬ。ロシア的。
あと「5気筒エンジン」なのに何故かシリンダー&排気管パーツが「6つ」入ってました。2つ購入して両方とも。メーカー写真でも 6つ入りなのでそういう仕様なんでしょうけど、…何で?

いずれにせよ、これで満足行く形の【M-11】が手に入った訳で、アレコレ製作意欲が湧きます。とりあえず AMGの【NKL-26に奢ってやって、あと、Vision Modelsの RF-8(GAZ-98)GAZ-98Kにしたいかな。
ちなみに 8 USDでした。機会があればオススメ。

M11_arezin_02

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