刮目せよっ!今、明らかになる、レンドリース・マチルダ&バレンタイン塗色の現実(リアル)に!
…というわけで今回は、レンドリース・マチルダ&バレンタインの塗色を確認出来る個体サンプルについてご紹介。
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下リンクは、2013年にヴォロネジの北西、テルブンスキー地区にて発見されたレンドリース・マチルダの車体前面鼻部の残骸。画像はリンク先の動画よりキャプチャ。
http://gorod48.ru/news/160738/
http://gorod48.ru/news/159806/
この車両は、第11戦車軍団・第3旅団の車両で、1942年7月にドイツ軍に対して攻撃中に湿地帯に嵌ってしまったらしい。
ご覧のように塗色はグリーン系である。むろん退色しているであろうから色調について断定的な事は言えないが、黄色味の強い、比較的明るめの緑のように見える。
残された銘板の地色にもグリーンの塗色が残っているのに注意。また車体前面鼻部左右の、収納ロッカー内部にあたる部分にも車体色が塗られているのが興味深い。
銘板から、この車両は 1942年2月に生産された「MATILDA IV CS」で、「WD No. T37173」「MAKERS No. 274」と判明している。
その後、履帯(T.D.5910履帯)や砲弾などの一部は揚がったが、他の車体部分や砲塔は残念ながら発見に至らなかった様子。
塗色とは直接関係はないが、「T37173」という WD No.(War Department number)を生産リストと照らし合わせると、この車両は「ロンドン・ミッドランド・アンド・スコティッシュ鉄道(London, Midland and Scottish Railway, LMS)」製ということになっている。
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下リンクは、オタワのカナダ戦争博物館に収蔵されているバレンタインで、車体前端が一体鋳造式であることから判るように、カナディアン・パシフィック社製の【バレンタイン Mk VII】。
http://www.dishmodels.ru/wshow.htm?p=2737
この車両はカナダで生産された後、レンドリースでソ連に渡った車両で、1944年1月25日、ウクライナのチェルカッシー近郊にて氷結した河川を渡河中に誤って水没したとされている。1990年になって引き揚げられ、その後 1992年のウクライナ独立後にカナダの戦争博物館に里帰り寄贈された。
引き揚げ時のまま再塗装はされておらず、車体に残った塗色を(薄らとマーキングも)観察できる貴重なサンプルで、車体色はグリーン。こちらも退色してはいるだろうが、やはり黄色味の強い、比較的明るめの緑のように見える。
本題とは離れるが、踏面に極小のスパイクがある履帯リンクが興味深い。