「レンドリース」という表記についての当ブログのスタンスなど
少し前ですがWebで、「レンドリース法」はアメリカ合衆国の法律であり、ソ連に送られた英国含む西側からの援助を何でも「レンドリース」で括るのは誤りである…といった内容のお怒り(?)発言を目にしました。
この意見は全く正しく、ごもっともであると思います。
「レンドリース法(Lend-Lease Acts)」は米国の法律なので、例えば「レンドリースのシャーマン」と呼称するのは良しとしても、マチルダやバレンタイン等の英国車両は「英ソ協定(Anglo-Soviet Agreement ~ Agreement Between the United Kingdom and the Union of Soviet Socialist Republics : July 12, 1941)」に基づき供与されたものであり、それを「レンドリースのマチルダ」のように呼称するのは、確かに誤りでしょう。
ごもっともな意見…ではあるんですが、実際問題として、現状少なくとも模型界隈的には、ソ連に渡った英国車両でも「レンドリース車両」と呼称するのは普通に行われているんですよね。
当事国であるロシアから出版されている、例えば『Танки Ленд-Лиза. 1941-1945:レンドリース戦車 1941-1945』(2000年:エクスプリント)や『Танки ленд-лиза в бою.:レンドリース戦車の戦い』(2009年:エクスモ)といった研究書でも、ソ連に送られた車両は、米国,英国,カナダといった供給元に関わらず一括りに「レンドリース車両」として扱っていますし、Web上で「レンドリース車両」に関してやり取りが為される場合でも、その車両の供給国ごとに言い分けたりはしないのが一般的になっていると思われます。
当ブログは「ゆるい感じの模型ブログ」を謳っておりますので、上記の様な世間一般の流れに沿い、英(連邦)国車両も「レンドリース車両」と呼んでおります。
従って、当ブログ内で「レンドリース」とあった場合、それは「レンドリース法」に基づいて貸与されたものと「英ソ協定 1941」によって供与されたもの等を一括りに合わせた、いわば「広義のレンドリース(そういった言葉があるかどうかは不明ですが)」と解釈していただければ幸いです。
更に、レンドリース系車両愛好モデラーは「レンドリ者」と呼んだりもしますね(^^;)。
なお、冒頭書いたように「ソ連軍の英軍車両までレンドリースによるものと呼ぶのは間違い」という主張それ自体は正しいので為念。
それを言い分けるのはなかなか大変だし、ウチはやらないですけど、頑張って言い分けて下さい…って感じでしょうか。