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モデラーズクラブ合同展 2024 感銘を受けた作品

主催者発表によると今年の「第33回モデラーズクラブ合同作品展」は、参加クラブ数・300以上,クラブ員数・4,200人以上,展示作品数・11,000作品以上と、いずれも過去最大を記録したらしい。この数量なので作品全部をじっくり見て回るのは困難なのだが、それでもなんとか一通り回ることが出来た。その中で個人的に感銘を受けた作品を幾つかご紹介。

なお、私自身ここ数年は欠席していたので、既に模型誌に掲載されていたりWeb等で著名な作品だったりするかもしれません。その辺りはご容赦のほどを。

○ まずはこちらの作品。エンジンデッキに遠征用荷物を山積みにしたII号戦車F型と、やはりロバの背中に荷物を山積みしている行商人という対比が面白い。片や地中海を超えてやってきた非日常の戦闘車両、片や日常の足であるロバ。Uchiwa

手前と奥の平行配置というレイアウトも結構難しいんじゃないかと思うんですが、上手くまとまっていますね。II号戦車とロバの行商人をすれ違わせず同方向を向かせているのも、同じ空間に居てもお互いに混じり合わない異質な関係であることが強調されているよう。両者の間に若干の高低差があることもそれを補完しているのかな。

で、お互いにとっての斜め前方に「ウチワサボテン」が生えてますが、このウチワサボテンに花が咲いているんですよ!
ドラゴンキットのオマケや情景パーツとしても出回っているウチワサボテンですが、花を咲かせているのは私は初めて見たような。情景の穴埋め的に無機質な扱いをされがちなウチワサボテンですが、本作では開花という植物的生態を表現されて生命力を持ちましたね。黄色の花とガク的な部分の紅が、情景全体を引き締めているようです。

あとこれは作品と直接関係ないけど、ウチワサボテンって元々はメキシコ〜アメリカ南西部に自生していたのが、16世紀にスペインの新大陸征服に伴ってヨーロッパに持ち込まれた…ということを今回知りました。

○ 次にこちらの作品。東部戦線、寒村の家屋の前にパークするIII号突撃砲G型ですが、手前に群生している植物は…ひまわりですよ。既に花の盛りを過ぎ、頭を垂れたひまわり

Himawari01
ひまわりが登場する情景作品は過去にも沢山あったけど、ここまで枯れさせた(花が終わった)作品は初めて見た気がします。う〜ん。良いですね。

ひまわりって、絵心の無い人でも何となく描けてしまうような花なので、造形的にも「何となくひまわり」な表現に陥りがちで、イメージがステレオタイプ化しているから漫画チックにもなりやすい。そういった「何となくひまわり」は、作品世界が作り込まれリアルさを積み上げていくにつれ違和感を生じさせてしまいがち。

本作のひまわりにはそういったある種の「漫画チック」さは皆無で、植物としてのひまわりを表現しているのがイイ。「最初は花が咲いた状態で作ったものが、季節が移ろうにつれ自然と枯れてこうなった」と言われても納得してしまいそう。花をほじくれば種が取れるんじゃないか…とか。

Himawari02
これはなかなか「ヤラレタ」感。ひまわりの情景は私もいつか作りたいなと思ってたんですが(←え?)、本作を超える表現を獲得するのはなかなか難しいかも。

サボテンの花にしろ、花期を過ぎたひまわりにしろ、それを表現するためには植物学的なアプローチが重要になってくる訳でうんうん、それもまた考証モデリング!だねと思いました。

○ あとこちらの作品(パネルの作者様の名前は加工して消しました)。

Machichi
レンドリースでソ連に送られる前に整備され、女性スタッフにちやほやされているマチルダ。記録写真を元にした作品ですね。
フィギュアを自在に操れると作品の幅が広がって良いなぁ。

…と今回ご紹介するのは以上です。情景作品は情報量が多く、また初見でもそれらが伝わって来やすいので、取り上げたものも情景作品ばかりになったけど、単品作品でもスゴイ作品は目白押しだった。
合同展会場にはあらゆるジャンルの力作が唸りまくっているので、それらを見て回るだけでも模型ゴコロに非接触給電しまくりなんですよね。

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