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KV重戦車のフェンダーについて(2)ZiS-5 搭載型,KV-1S,KV-85

▪️【KV-1・ZiS-5 搭載型】:1941年8月〜1942年8月まで、ChKZ(1941年10月まではChTZ)にて製造された。

ZiS-5 搭載で 90mm厚装甲の簡易生産型・溶接砲塔を搭載。チェリャビンスクに疎開後のキーロフスキー工場(ChKZ)で 1942年春以降に製造された車両と思われる。フェンダー最前部にリベットが確認出来る。
◎ 現段階では、同仕様のKV-1で溶接跡が確認出来る車両の写真は見つからなかった。

Zis5_weld_01

Zis5_weld_02

 

ZiS-5 搭載の鋳造製砲塔を搭載。転輪及び上部転輪は全鋼製を装着、履帯は700mmの二分割履帯混合型。ChKZに於いて 1942年春以降に製造された車両と思われる。破損してまくれ上がったフェンダーの外側にリベットが確認出来る。
◎ 現段階では、同仕様のKV-1で溶接跡が確認出来る車両の写真は見つからなかった。

Zis5_cast_01

Zis5_cast_02

 

▪️【KV-1S】:1942年7月〜1943年8月まで、ChKZにて製造された。

KV-1S。1943年6月にChKZにて製造された車両。フェンダー最後部の外側に溶接跡が確認出来る。
◎ 現段階では、同仕様のKV-1Sでリベットが確認出来る車両の写真は見つからなかった。

Kv1s_01

Kv1s_02

 

▪️【KV-85】:1943年8月〜10月まで、ChKZにて製造された。

KV-85では、リベット,溶接跡ともに明確に視認できるサンプル写真は見つけられなかった。
1943年8月に製造されたKV-85最初の車両(現在サンクトペテルブルクに展示されている車両)では、当時の写真でフェンダー最後部の外側に溶接跡が確認出来たが、この車両の車体はKV-1Sの試作第2号車(1942年7月製・車体シリアルNo.15002)から改造されたものなので、一般的なKV-85の標本からは除外した。

 

▪️【KV-1S・KV-1重車台型】:サブタイプの順序は前後するが、1942年9月、KV-1S用の装甲車台(側面装甲60mm)の生産に不足が生じた為、既に生産完了し予備として保管されていたKV-1・1942年型用の装甲車台(側面装甲75mm)の転用が検討され、後に決定した。
1942年10月〜11月に掛けて、KV-1用の重装甲車台にKV-1Sの砲塔を搭載した「KV-1S・KV-1重車台型」が70両製造された。KV-1用の車台はKV-1Sの砲塔を載せるために小改造が施され、操縦手用ペリスコープも2個に増設された。戦闘室前面の増加装甲もそのまま残されたので、KV-1Sでこの増加装甲が装着された車両は「KV-1S・KV-1重車台型」とされている。
ロシア、ノヴゴロド州のパルフィノに展示されているKV-1Sは「KV-1S・KV-1重車台型」の貴重な現存車である。

KV-1S・KV-1重車台型。1942年10月〜11月にChKZにて製造された車両。溶接跡自体は明確に視認できないが、フェンダー外側レール下端部のダメージ状況は溶接製の特徴を有しているようにも見える。

Kv1s_kvhull_01

Kv1s_kvhull_02

なおこれは本題とは離れた余談だが、上記車両では主砲防盾の前面に追加装甲が装着されている。この追加装甲板は、防盾の鋳造時または加工時に亀裂等のダメージが生じた際に、それを保護する目的で装着された「パッチ」なのだそうだ。

 

参考文献:

『ソビエト重戦車KV-1:勝利の最初の戦車』(マクシム・コロミエーツ 著:エクスモ 刊 2017)
『近代化された「クリム・ヴォロシーロフ」戦車・KV-1S & KV-85』(マクシム・コロミエーツ 著:エクスモ 刊 2014)
『КВ-1с』(Wikipedia ロシア版)https://ru.wikipedia.org/wiki/%D0%9A%D0%92-1%D1%81
『КВ-85』(Wikipedia ロシア版)https://ru.wikipedia.org/wiki/%D0%9A%D0%92-85

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