KV重戦車のフェンダーについて(3)KV-2,その他試作車両
▪️【KV-2・U-3車台(MT-1砲塔)】:LKZにて 1940年2月に製造された。
◎ KV-2・試作型のU-3車台で、フェンダーには「航空機」タイプと呼ばれる一体型雑具箱を装備している。フェンダー最前部にリベットが確認出来る。
◎ 現段階では、KV-2・試作型のUシリーズで溶接跡が確認出来る車両の写真は見つからなかった。
▪️【KV-2・初期型(MT-1砲塔)】:LKZにて 1940年2月〜3月に4両、7月〜8月に20両が製造された。
◎ KV-2・初期型で、1940年の7月〜8月に製造された車両と思われる。独ソ開戦間もない1941年6月にリトアニア戦区にて撃破された車両で、砲塔は外れて車体も誘爆によってバラバラになっている。写真左下の地面に破損したフェンダーとレールが写っており、表面にリベットが確認出来る。同車両の他アングルの写真から、フェンダー表側・車体側のリベットのようだ。
◎ 現段階では、同仕様のKV-2・初期型で溶接跡が確認出来る車両の写真は見つからなかった。
▪️【KV-2・後期型(MT-2砲塔)】:LKZにて 1940年11月〜12月に80両、1941年5月〜6月に100両が製造された。
◎ KV-2・後期型で、1940年11月〜12月に製造された車両と思われる。橋から落下して横倒しになっており、フェンダー裏側にリベットが確認出来る。
◎ 現段階では、同仕様のKV-2・後期型で溶接跡が確認出来る車両の写真は見つからなかった。
(※ 記事公開時には1941年5月〜6月生産車としていたが、同車両の他アングル写真から1940年11月〜12月生産車と修正)
▪️【その他試作車両】
◎ T-220。KV-1の発展系として開発された。「KV-220」「Obiekt 220」と呼ばれることもあるが、実際は「T-220」又は単に「220」と呼ばれていたらしい。ChKZにて 1940年12月に製造。フェンダー最後部の内側にリベット列が確認出来る。
◎ KV-7(U-13砲架)。76.2mm砲 x 1門, 45mm砲 x 2門を搭載したタイプ。ChKZにて 1941年11月に製造。フェンダー最前部にリベットが確認出来る。
参考文献:
『重戦車KV-2:スターリンの「無敵」の巨像』(マクシム・コロミエーツ 著:ヤウザ 刊 2011)
『ソビエト重戦車KV-1:勝利の最初の戦車』(マクシム・コロミエーツ 著:エクスモ 刊 2017)
『КВ-220』(Wikipedia ロシア版)https://ru.wikipedia.org/wiki/%D0%9A%D0%92-220
『КВ-7』(Wikipedia ロシア版)https://ru.wikipedia.org/wiki/%D0%9A%D0%92-7
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