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Arezin【シュベツォフ M-11 空冷星形5気筒エンジン】

突然ですが、第二次大戦に供されたソ連軍車両が搭載していたエンジンのうち、1/35で最も多く立体化されている物は何でしょーか?

第1位は、まず間違いなく【V-2 ディーゼルエンジン】でしょう。細かい派生型を合わせると、インジェクションやレジン製でたぶん20種くらいは立体が存在するんじゃないかな。
第2位は、恐らく【GAZ-M1】エンジンではないかと。GAZ-MやGAZ-MM(模型的にはGAZ-AAなんかも)、BAシリーズ等、これもインジェクションやレジン製で、元の車両に付随して多く立体化されています。

では第3位は…?
これはたぶんだけど、航空機用のM-11 星形エンジンじゃないかと予想します。
えぇ〜?1/35で〜?と思うかもしれませんが、その理由は、ソ連の「アエロサン」に搭載されていたため。

ソ連軍が大戦中に使用したアエロサンは、多く【M-11】を搭載しています。
名が通った所では【アエロサン・NKL-26】。トランぺッターからインジェクションキットが出てますが、それ以前にも「AMG」から簡易インジェクション製が、「Lead Sled」からエッチング&メタル製が、その他レジン製キットやバキュームフォームキットが数種ありました。
トランぺッターからはやはり同エンジンを搭載した【NKL-16(NKL-16-41)】も出てますね。それらのキットには当然皆【M-11】が付属していた訳です。

単純な箱形形状のアエロサンに於いて、エンジンは唯一「むき出しのメカ感」を醸し出すポイントですが、過去に出ていた1/35の【M-11】はどれもイマイチピリッとしない仕上がりでした。
シリンダー部は 1/35では高さ1cmに満たないので、そもそも実物と同じ枚数の放熱フィンを再現するのは困難ですが、手作業で彫刻された原型はやはり工業製品的な精度の再現に今一歩及ばない感じでした。また、モールドを深くするとレジンやホワイトメタルが流れにくくなり、ゴム型にも負担が掛かるので、そういった技術的側面からも、ある程度の所で妥協する必要もあったのかなと。
なお、トランぺッターのアエロサン付属の【M-11】はプラ・インジェクション製だけど(未所有)、写真から判断する限りでは、中央のクランクケースが大きいのか、或いは周囲のシリンダーが小さいのか、どうも何か全体のバランスが怪しく、ぶっちゃけ何だか「でんでん太鼓」みたいで格好悪い。

なお、本来航空機用エンジンであり【ポリカールポフ Po-2(U-2)】等に搭載された【M-11】なので、1/72,1/48エアキットに対応したディテールアップ・パーツもポツポツ出ています。
中でもレジン製ディテールアップ・パーツを多く出している Vector の【48-002:Russian M-11 Engine】は出来が良く(私も参考用に買った)、「あぁこの出来で 1/35の M-11が何処かから出ないもんかなぁ…」と日々思っていました。

…と前置きが長くなりましたが、今年初め、ロシアの模型誌『Mホビー』の新製品案内に、モスクワのArezinなるメーカーが【M-11】を「1/72, 1/48, 1/35で(!)」発売するという情報が載り、思わず「キタタタタターッッッ!」と叫んだたワケです。
「1/72, 1/48, 1/35」での展開ということは、3Dデザインによりデータの共用が為されていると思われ、昨今の流れから出来の方もある程度期待出来そう。心高鳴りました。

その Arezin 1/35【P.z.35002:シュベツォフ M-11 空冷星形5気筒エンジンがやっとこ到着。
実は注文する段階でも出来に関しての情報に乏しく、半ば祈りながらの注文だったんですが…、杞憂でした。メッチャ良い出来です。

M11_arezin_01


【M-11】は 1923年〜1952年までの間に10万基ほどが生産された為、細かなバリエーションが多いんですが、キットはちゃんと戦中のバージョンを再現しているようです。
一応、アエロサン NKL-26は「M-11G」型を搭載していることになってますが、各タイプでどの辺の何にどう差異があるのか、良くワカリマセン。

ブルーグレー系のレジンは気泡や欠けも無く、成形良好。シリンダーは放熱フィンの数こそ実物の半分〜2/3程度にまとめられていますが、充分シャープな造形で、この辺は 3Dデザインならではという感じ。中央のクランクケースは前後分割で成形されていますが、実物は一体鋳造部品なので前後を接着後に継ぎ目をそれっぽく一体化すると良いでしょうね。ただ、プロペラをモーターで回転させたい場合などは前後分割の方が加工しやすいとは言えます。
なお、一部の配線やロッドは自分で追加する必要があります。ちなみにインスト等は無いのでその辺は自分で調べなければなりませぬ。ロシア的。
あと「5気筒エンジン」なのに何故かシリンダー&排気管パーツが「6つ」入ってました。2つ購入して両方とも。メーカー写真でも 6つ入りなのでそういう仕様なんでしょうけど、…何で?

いずれにせよ、これで満足行く形の【M-11】が手に入った訳で、アレコレ製作意欲が湧きます。とりあえず AMGの【NKL-26に奢ってやって、あと、Vision Modelsの RF-8(GAZ-98)GAZ-98Kにしたいかな。
ちなみに 8 USDでした。機会があればオススメ。

M11_arezin_02

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