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T-34の幅狭転輪(1)

最近あちらこちらで、T-34の幅の狭い転輪に関する話題を見掛けます。
恐らくは、最近 ICMから発売された T-34キットに、当該パーツがいきなり入っている為でしょう。同キットはインストの解説が不十分で(というか無い)、モデラーに丸投げ状態だとか。
他所のブログ等に長文のコメントをするのも気が引けるし、画像も貼れないし、それに「オレにも語らせろや」という気分でもあるので(^^;)、ちょっと書いてみましょう。

Dovator_2

写真は、モスクワ・勝利の丘記念公園に展示されている T-34 六角砲塔型「ДОВАТОР(L.M.ドヴァトール・ソ連邦英雄の名から)号」の幅狭転輪。2002年に撮影。
鋳造製のいわゆる「蜘蛛の巣転輪」初期タイプであるが、外周ソリッドゴム部の幅が通常の T-34よりも狭くなっているのが判る。

【特徴と構造】
外周にソリッドゴムを持つ T-34の幅狭転輪にはプレス製・ディッシュ転輪鋳造製・蜘蛛の巣転輪が存在する。
両タイプに共通する特徴はソリッドゴム部に開いている穴が40個であるということ(ゴム周囲に掘られた溝も同様に片側40溝なのだが、ここでは穴の方に代表させる)。T-34標準の転輪ソリッドゴムの穴は「42個」なので、2個少ないことになる。

「ソリッドゴムの穴が40個」というのは、これは BT-7用の転輪と同じ数であり、計測されたゴム部の幅も BT-7用転輪と一致する。
また、転輪直径も T-34と BT-7は同じく「830mm」であり、その他各部の細かな特徴も一致することから、T-34の転輪本体と BT-7用のソリッドゴムを合体させたものが、この幅狭転輪であると考えて差し障りは無さそうだ。

現存パーツ及び写真を観察するに、ディッシュ転輪・蜘蛛の巣転輪とも、転輪本体部分は通常型・幅狭型とも恐らく同一のもので、異なるのはソリッドゴム部の幅だと思われる。
ちなみに、幅はソリッドゴム部の踏面(履帯に接する面)片側ベースで、T-34標準の 138mm程度に対し、BT-7転輪では 83mm程度と、約40%細い。
ちなみのちなみに、転輪直径は BT-7では「830mm」だが、同じ BT系列でも BT-5の場合は直径「815mm」であり、時系列的にみても、T-34の幅狭転輪に供されたものは「BT-7」の転輪であると絞って問題無いだろう。

外周にソリッドゴムを持つ T-34の転輪は、転輪本体の外縁リム(便宜上「内リム」と呼称)の外側に更に輪金(便宜上「外リム」と呼称)が巻かれ、その「外リム」にソリッドゴムが装着される仕様。

下は T-34マニュアルに掲載の転輪断面図(ディッシュ・蜘蛛の巣)に、同縮尺にした BT-7の外リムとソリッドゴムを合成したもの。青系が T-34のパーツで、赤系が BT-7のパーツ。

Danmen

幅狭 ディッシュ転輪の場合、T-34転輪本体の外縁「内リム」部の立ち上がりが大きい為、装着した BT-7の「外リム」下部に出っ張っている(図 A の部分)

一方
幅狭 蜘蛛の巣転輪では、転輪本体外縁「内リム」の立ち上がりが「ディッシュ転輪」よりも小さく、装着した BT-7の「外リム」の方が僅かに出っ張る(図 B の部分)

ソリッドゴム部の幅が確認出来なくとも、リム部の出っ張り幅というこの特徴が観察出来れば、通常型転輪と
幅狭転輪との判別は可能になる。

- 続く -

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