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45mm砲用・馬蹄型砲塔の、搭載車体によるビミョーな違い

間もなく発売になる、タミヤ1/35ミリタリーミニチュアシリーズNo.309「ソビエト戦車 BT-7 1935年型」。馬蹄形砲塔搭載ということで、BT-5T-26、またBA-3,6あたりに砲塔の流用を検討している人も居られるんじゃ?
これらが搭載する「45mm砲用(馬蹄型)砲塔」は基本的に同じデザインと言って良いんですが、搭載車体の種類によって細部に微妙なディテールの差異もまた認められます。
当ブログにお越しの皆さんはそういった枝葉末節的考察に興味をお持ちの方々だと思いますので、ちょろーんと纏めてみました。まぁ別に新発見とかじゃなくて纏めただけです。

Btmanual


【A】ピストルポートの装甲栓
ピストルポートは、砲塔側面左右・バスル後部・砲塔リング部後部にそれぞれ位置しますが、そのピストルポートに「装甲栓」を装備するのはBTシリーズのみです。
T-26やBA-3,6の場合、ピストルポートに装甲栓は付かず、内側にスライド開閉式のシャッターがあるのみです。
この、車種によってピストルポート装甲栓が有ったり無かったりする…というのが何とも意図不明。

【B】砲塔バスル側面後部に溶接された補強用の細板

砲塔バスル側面後部に
補強用の細板が溶接された砲塔がありますが、これはBT-7にのみ見られる仕様です。T-26やBA-3,6はもとより、BT-5にも装着されていません。
これも何故BT-7のみなのか不明です。BT-7にはバスル後部のハッチに、ピストルポートに替えてDT機銃用のボールマウントを設けたタイプがあるので、その辺との兼ね合いか?とも考えたんですが、DT機銃用のボールマウントはT-26にも装着例があり、そちらには細板は無いですから、理由付けとしては弱いですね。

【C】バスル後部ハッチの開閉ヒンジ
砲塔バスル後部にはハッチが付きますが、このハッチの開閉ヒンジ(蝶番)は、
リベット留めされた四角いタイプと、溶接留めされた三角形のタイプがあります。
BT-5では四角いタイプのヒンジしか確認出来ないので、三角のタイプはそれよりも後に登場したと思われ、
恐らくはBT-7搭載の馬蹄型砲塔の途中から変更になった部分だと思われます。
(※クビンカ収蔵のBT-5は、BT-5砲塔ながら溶接留めの三角タイプヒンジを装着しています。が、これはレストアによる可能性もあるので検証対象個体としては除きました)

以上を纏めたのが下図。簡単な差異ですが、ロシアの出版物でも結構混同して描いている場合があるので、注意して見た方が良いでしょう。
ごくごく稀にイレギュラーな例(ピストルポート装甲栓を付けたT-26とか)も存在しますが、まずは殆ど例外なくこのように分類されるようです。

Btbashny


この他にも、防盾基部が溶接製かプレス製かとか、砲塔天板に付く吊り下げフックの形状とか、砲塔側面に付くリベットの形状といった違いもアレコレありますが、その辺はより「個体寄り」の差異なので今回は触れません。

この45mm砲用(馬蹄型)砲塔は、T-26・BT-5・BT-7・BA-3,6の各車両間で互換性があったと思われますが、実際に戦中のソ連軍車両で相互に砲塔を置き換えた車両というのは、私は確認出来ていません。ただ、フィンランド軍が戦中に「Ps.163-28」として運用した車両は、鹵獲したT-26(OT-26?)車体に「BT-7」の砲塔を搭載したものです。
そういえば、最近ロシアでレストアされたT-26なんかでも、BT-7の砲塔を載っけて復元したりしてましたよ。困ったチャンです。

さてさて、上記の差異は「モデラー的には」簡単な工作で再現可能です。
BT-7砲塔からバスル後半左右のビードを削り取り、後部ハッチのヒンジを四角いタイプに変更すればBT-5砲塔に。
更にピストルポート装甲栓を削り取って穴を穿ち、内部にシャッターを貼ればT-26、BA-3,6砲塔に、それぞれなるわけです。

一方で、「メーカーとして」バリエーション展開する際にはこれらの部分の金型を変更せねばならず、そこから考えると、タミヤがBT-7のバリエーションとしてBT-5やT-26を出す可能性は(少なくとも今回の砲塔パーツを流用してというのは)私は「無い」と見ています。まぁ基本データはあるわけですから可能性はゼロよりは高いとは思いますが…。

というわけで、各自この砲塔を流用して、T-26・BT-5・BA-3,6あたりをガシガシ作ってみるのも吉かと。

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