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ソ連軍のマチルダを作る:側面装甲板

側面装甲板(サイドスカート)開口部近辺

Sidepanel_a

写真に示した,及び部分それぞれに見える6個のマイナスボルトは、その内側に上部支持転輪の基部を固定する為のものです。
また、
の部分は、その装着部が開口部に張り出すような形になっており、開口部はL字型に加工する必要がありました。

上部転輪がスキッドレールに変更になると、当然ながらこのマイナスボルト孔、及び基部装着用の張り出しは無用のものとなり、加工が省略されるようになります。
ただし、恐らくは既にストックされていた装甲板の在庫消化、また、ラインに於ける規格変更導入のタイミングの問題等から、幾種かのバリエーション形式を観察することが出来ます。それらを下に図示します。

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◎1:タミヤのキットが再現した型式。上部に於ける履帯の支持は小転輪によって行われており、その基部固定ボルト及び、装着部用の張り出しが見られる。

Ma_side1

◎2:履帯支持が、上部転輪方式からスキッドレール方式に変更になる。
ただし、装甲板自体は上部転輪装着用に加工されたストックを使用した為か、基部固定用のボルト孔も、基部用の張り出し部もそのまま。つまり(1)と同じ形式だが、基部を固定するマイナスボルト自体は装着されていないようで、孔は凹んでいる(ボルトが装着されている場合は装甲板とほぼツライチになる)。

Ma_side2

◎3:上部転輪基部固定用のボルト孔が省かれた。その他は(1)及び(2)と同形式で、基部用の張り出し部はそのまま。開口部の形状にも変化無し。

Ma_side3

◎4:側面装甲板は、車体中央付近に分割ラインがある前後に分かれたパーツだが、そのうち、前半部装甲板の最前開口部にあった基部用の張り出し(上パーツ写真での部分)が加工省略され、開口部はその分拡大された。後半部装甲板の最後部の張り出しはそのまま。

逆のパターン(前半部の張り出しがそのままで、後半部の張り出しが加工省略されたパターン)は現在まで未見。前半部の加工が先行された理由は不明だが、恐らくは前半部装甲板のストックが先に無くなったのではないかと考える。

Ma_side4

◎5:前半部に引き続き、後半部装甲板の最後部にあった基部用の張り出し(上パーツ写真での部分)が加工省略され、開口部はその分拡大された。
この場合、張り出しのあった部分には、ボルト孔の2つ開いた基部(用途不明。恐らくサイドスカート内側の構造物固定用)が付く。

Ma_side5_2

上記(1)〜(5)は、基本的にはこの順番で時系列されていたと考えられるが、実際に於ける仕様の混沌を鑑みるに、マチルダの生産は複数の工場が担当していたこともあり、特に(3)(4)(5)に関しては同時進行的に行われていた可能性もある。

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さてさて、というわけでどの形式を再現するかですが、個人的にはやはり(4)ですね。前半部と後半部の加工が異なるということで表現に味があるし(←微妙すぎる味)、それにもし万が一タミヤからバリエーションでソ連軍仕様のマチルダが出たとしても、まずこの形式にはしないだろうしね。

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