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レンドリースのマチルダに関する覚え書き(1)

タミヤから間もなく発売の、1/35 MM No.300【イギリス歩兵戦車 マチルダ Mk.III/IV】。以前から常々、タミヤはA12 マチルダをリメイクしないもんかねー、やっぱりアイテム人気的にキビシイかねーなどと思っていたので、その英断に拍手!もう万々歳です。出来も21世紀の模型に相応しい内容に仕上がっているようで、発売が今から楽しみ。

 

発売に備えて資料関係をポツポツ用意してるんですが、最近入手した書籍に絡めて、レンドリースのマチルダについての覚え書きを書き連ねてみます。

Matilda【歩兵戦車 マチルダ】ロシア・ツェイガウス 刊

 

このシリーズは、『Mホビー』誌を出している「エクスプリント」社から刊行されていましたが、最近『Mホビー』を含む他の刊行物ともども、以前から軍装関係の本を出していた「ツェイガウス(兵器廠の意)」社に出版元が変更になった様子。
で、その内容はというと、どうも『ブローニェコレクツィヤ』の04/2001『歩兵戦車 マチルダ』の再編集版のようです。ややこしや。でもまぁ同書は未所有だったので、それはそれでOK。

 

 

 

76.2mm ZIS-5 戦車砲搭載のマチルダ

 

 

 

同書には、ソ連でアップデートが計画された、76.2mm ZIS-5 戦車砲搭載のマチルダについての記述があります。

 

イギリスからのレンドリース物資は1941年10月中頃からソ連に届き始め、慣熟訓練の後に配備されたマチルダも、すぐさま逼迫した戦線各所に投入されていきました。

 

マチルダは、北アフリカで対峙したロンメルから『歩兵戦車のくせに榴弾も発射出来ないなんて、どういうことなのかしら?』と揶揄されたように、その搭載する2ポンド砲が榴弾を発射出来ないという問題点を持っていました。
同戦車を受領したソ連軍に於いてもこのことは問題視され、早くも1941年12月、国家防衛委員会(GKO)は第92工場のグラビン設計局に対し、「76.2mm ZIS-5 戦車砲(工場内コードZIS-96 又は F-96) 及び 7.62mm DT機銃」によるマチルダ戦車の武装アップデートを指示。同月中には試作車1両が完成し、テストの為にモスクワに送られました。

 

1942年1月にかけてテスト及び検討が為されましたが、結局この武装アップデート計画は実施が見送られました。理由は、ZIS-5 戦車砲は当時「KV-1 重戦車」への供給で手一杯であり、マチルダへの供給は生産ラインに混乱をきたす為…ということだったようです。また、1942年の春頃からは、2ポンド砲に替え3インチ榴弾砲を搭載した近接支援型「マチルダ CS」が到着するようになったので、その影響もあったようです。

 

F96_1このZIS-5 戦車砲搭載型マチルダについて、写真・図面等の詳細は未だ明らかになっていません。同書には側面図が載っていますが、これはあくまで想像図だと思われます。そのまんまじゃん…という感じですね。

 

英軍はマチルダに6ポンド砲を搭載する試みとして、A27(クロムウェル)の砲塔を載せたりしていた程なので、マチルダ・オリジナルの砲塔にそのまま ZIS-5 を搭載するのは難しかったのではないでしょうか。試みに、ほぼ同縮尺の ZIS-5 砲尾を合成してみましたが、一杯一杯です。

F96_2ちなみにこのZIS-5 戦車砲搭載型マチルダは、2003年、静岡合同展のMay-Q同盟ブースにて、せいもく氏が1/35で立体化したものを出品しています。せいもく氏は『ブローニェコレクツィヤ』の図、即ち本書と同じ物を基にモデリングされており、当時やはり「ZIS-5 搭載は無理じゃないか」と仰ってました。

 

いつの日か、試作された車両の詳細が明らかになる日が来ることを期待したいところであります。

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