【クリム・ヴォロシーロフ:レニングラードでの製造 1940-1941】フロントヴァヤ・イリュストラツィヤ シリーズ #01/2009
チェリャビンスクに疎開する前、1940年1月から1941年10月までの、レニングラード・キーロフスキー工場に於けるKV重戦車の開発と生産をテーマにした書。著者はマクシム・コロミエッツ氏。
同シリーズでは同じМ.К氏によって、2001年と2002年に【KV戦車の歴史】上下巻が刊行されていますが、今回はそれよりも更に突っ込んだ内容です。
工場由来の写真や図面が多く掲載されていて、今まで疑問だった色々な部分の霧が晴れていくようです。例えばKV-2のレイアウト断面図なんかが載ってますよ。これで初めてKV-2の砲塔内が(側面図のみながら)明らかになったワケで、個人的にはもうこれだけで本書は買い!ですね。
内容は全てロシア語ですが、心眼で(?)読むと、当然ながら新事実があれこれ明らかにされてるようです。例えば「丸形砲塔(試作&増加試作の溶接製の丸っこい砲塔)は15基製造された。搭載された車両の製造番号は、U-0,U-5,U-6,U-7,U-8,U-9,U-10,U-11,U-12,U-13,U-14,U-15,U-16,U-17,そしてU-19であった」とか「M17-T・ガソリンエンジン搭載車は27台製造され、その車両製造番号の内訳は…」とかとか。
ドイツ軍によって破壊された車両の写真も多く載っており、見慣れた物も多いですが、中には珍しい物もあります。ぶっちゃけ私が所有している写真も無許可で載ってたりするんですが、まぁいいですよ。この内容なら許しちゃりますよ。
「模型製作に役立つか?」と問われれば、「ものすごく役立つ人もいれば、全く役に立たない人もいる」という類の、主に研究的内容の本ですが、今後KVを語る場合に必携の書であることは間違いないでしょう。総72ページ、写真60枚、イラスト等多数。全ロシア語。
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