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『スカイ・クロラ』

観てきた。良いねー。
今までの押井守監督作品とは異なる雰囲気で、長文の台詞や難解な言い回しこそ無いけれど、ちゃんと「押井作品(の世界)」になっているのはさすが。
原作は読んでいないが、ストーリーは結構淡々と進む。わかりやすい起承転結話じゃないし、説明的な台詞や種明かしなども無いので、映画を観ながら同時に作品世界を「読み込む」作業が必要なのもいつもの押井作品的。今回の『スカイ・クロラ』では、カット割りが少なく、それに伴って長回しシーンも多いので、その読み込み作業も比較的余裕を持って出来るかな。この作業が押井作品の醍醐味と言える。

戦闘シーンは今まで見たことも無いようなクオリティの高さで舌を巻くが、その戦闘シーンによってカタルシスを得られるかというとそういう作品ではないので、作品に何を求めるかによって評価(≒好み)は大きく分かれるところだろうと思う。

押井作品にしては艶っぽいシーンや描写が多かったのは新鮮だったかも。艶っぽいシーンと言ってもカワイイもんだけど。
監督は、キャラ設定段階でスイトの髪を原作イラストのショートカットではなく「おかっぱ頭」にするよう強硬に主張したそうで、実際そうなった訳だけれど、洗顔したスイトが前髪を後になでつけてオデコを出すシーンなんかは結構グッと来た。あぁ、こういうのをやりたかったのねーと納得しましたよ。

音響は『攻殻2.0』に引き続きスカイウォーカー・サウンド。全体に音響が素晴らしく、イスが軋む音、人物が動くたびに革ジャンがギュギュギュギュ鳴る音、雨が格納庫の樋を伝って流れる音、ZIPPOの開閉音などなど、拘りの、かつ自然な音響は、世界の構築に大きな役割を果たしている。長回しシーンが多いので、音だけで状況を説明しているシーンもちらほら。戦闘機のエンジン音等も含め、劇場で鑑賞するアドバンテージは大きいと思った。

劇場は割と空いていた。お盆休みということもあるのかもしれないが、派手な作品では無いのでこんなもんかもしれない。
けど、個人的には今後何回も観る作品になると思う。

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